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おすすめスポット・風景-栂池自然園(つがいけしぜんえん)

   

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湿原に咲く高山植物と白馬岳の展望

 栂池自然園へ行くには、JR大糸線の白馬駅から定期バスで栂池高原へと向かう。自家用車の場合は栂池高原で駐車する。冬場、スキー客で混雑するところだ。栂池高原駅からは栂池パノラマウェイ(ゴンドラリフト+ロープウェイ)を利用し、自然園駅まで一気に高度を上げる。乗り換えがあるが、標高差910mを正味25分ほどで移動できるのはとてもありがたい。まともに歩いていたら3~4時間はかかるだろう。運賃は下記(2015年7月5日現在)。

 往復:栂池ゴンドラ&栂池ロープウェイ+自然園入園料セット
 大人運賃3,600円
 小児運賃2,050円

 自然園駅は標高1,820mにある。ロープウェイを降りると、ひんやりとした空気がおいしい。ここから200mほど歩けば、ビジターセンターや栂池山荘が見えてくる。そして自然園の入口には『中部山岳国立公園 栂池自然園 長野県・小谷村』と書かれた大きい看板が立っている。

 自然園に一歩入れば、別世界。高山植物が目の前に広がり、遠方には残雪きらめく小蓮華山から白馬岳にかけての夏山が連なっている。

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雲上の花園

 100万年前以来の白馬乗鞍岳の火山活動に伴い、周辺部に平坦地が生まれた。天狗原や神ノ田圃、白馬大池もこの部分にあたる。その平坦地は湿地帯となり、ミズゴケやワタスゲなどが生育したが、寒冷な気象条件のもとで分解されないまま泥炭化し、数万年かけて積み重なっていった。そして自然園のような高層湿原になったという。

 火山地帯と湿原は特異な景観を生み出す。この自然園も、のどかで広々とした非日常的な空間を持ち、自然好きな幅広い世代の人々が訪れる。

 自然園内には湿地の植物と高山植物とが同居し、多くの花々が咲き乱れる。なだらかな地形の中で、どこまでも続くような錯覚や期待を生み出す。さらに灌木帯の丘陵や沢、池塘、そして北アルプスのさわやかな岩峰が国立公園らしい、自然度の高い野性的な景観を構成している。

 自然園内で見られる花としては、ワタスゲ、ミズバショウ、ニッコウキスゲ、シラネアオイ、チングルマ、ミヤマキンポウゲ、コバイケイショウ、シナノキンバイ、クルマユリ、キヌガサソウ、イワカガミ、ハクサンフウロ、ハクサンチドリ、サンカヨウなどなど。群落や大株などもあり、見ごたえ十分。

 動物としては、ウグイス、ウソ、ミソサザイ、キセキレイなどの鳥類や、イワナ、サンショウウオなどが生息する。歩道の横に流れる小川の中でイワナが何匹も見られるのは貴重だ。

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池塘に映る夏雲

 標高1,880mの山腹に広がる栂池自然園。散策コースは一周約5.5km、所要時間約3時間30分程度。園内は木道が整備されとても歩きやすい。木道が複線になっていることと休憩場所が多く設けられていることですれ違いがスムーズに行える。ゆっくりと景色を眺めたり、写真を撮ったりすることができる。

 ところどころに森やアップダウンがあって、いったん視界が閉ざされるが、その向こうには何があるのかと期待を抱かせてくれる。そして期待通り、別の湿原が目の前に現れ、新たな感動が生まれる。

 最もすてきだと思った点は、池塘(湿原の中にある大小さまざまな小さい水たまり)の集まりが大きく広々としている点と、それを見渡す休憩場所の存在だ。園内を散策している人は多い。人は多いが、気にならない程度の距離を保っている。みんな少し離れたところでゆっくりと自然に向かい合っている。騒々しい人はいない。池塘に移る夏雲を見ながらコーヒーを飲んでいる。とてもすてきな空間と時間だと思う。

 また夏でも冷風が吹き出している風穴や、 氷のように冷たい雪解けのせせらぎなどがあり、ハイカーたちは自分の手で自然に触れ、歓声を上げている。

 開園時期:2015年6月1日(月)~11月1日(日)
 入園料金:大人 300円、小人 250円

 - おすすめスポット・風景, 登山・アウトドア

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